検討内容の整理

波浪条件の確認と整理

 CADMAS-SURFを使うということは護岸や堤防などに作用する波浪を検討するはず!!ということでまずは波浪条件を整理しましょう。それによって構築するモデルの大きさなども変わってきます。観測データなどを元に設定することもあると思いますが、ここでは既往資料で近傍地点の沖波などが示されているという想定で説明します。
  • 有義波高
     CADMAS-SURFでは有義波高を入力することになります。造波するのに波高の3~5倍程度の水深が必要になるので、検討対象から沖側に離れて3H~5H程度の水深位置の波高を目安としておきます。既往資料で沖波しか示されていない場合は、波浪変形計算や浅海変形の算定図などを検討する必要があるかも
  • 周期
     周期は変わらないと仮定するので、一般的に沖波周期をそのまま適用します
  • 潮位
     検討する潮位を確認しておきましょう
 ここからは具体例がないと何を言ってるか分からなくなるので、港湾計画図をググって説明するのに良さげだった函館港を例にさせてもらいます。ありがとうございます函館港m(_ _)m
 今回は函館港北側の海岸を検討対象として、ここに来襲する波浪を解析する想定とします。検討波浪は函館港の50年確率波程度で「波高:H=6.00m、周期:T=11.0s」としました。

モデル延長と高さ

 波浪条件を整理したら検討対象と造波位置など考慮してモデルの作成範囲を検討します。モデルの延長ですが水深を目安に考えると、5H(30m)程度の水深を作成するのが基準となります。ただ水深30mまで実地形で作成すると、この平面図より沖側まで広がってしまい延長が長くなりすぎてしまいます。
 CADMAS-SURFの水路長は10波長(※波長は1.56×T^2で今回は約190m)くらいまでが一般的なので実地形として作成する延長は2000mとして、平面図の水深16mまでを実地形で設定し、そこからは1/10勾配で30mまで深くすることにします。
 造波は造波ソース(モデルの中間から造波できる設定)として、左側に減衰帯を2L設定しようと思います。モデルの右側は護岸をモデル化して、その背後に越波量を測定する越波桝を設けましょう。水面より上側は5H程度を確保します。また潮位はH.W.L.程度でD.L.+1.00mとします。
 これらを全て考慮して以下のような感じにします。
・延長:2600m
①左側減衰帯2L 400m
②平坦部 10m
③1/10勾配擦付部 140m
④実地形 2000m
⑤護岸および越波桝 50m

・高さ:65m
①水深 30.0m
②潮位 1.0m
③静水面上 34.0m

地形データを抽出

 水深16m地点からは実地形を設定するので、平面図の等深線から延長と水深を整理します。原点をどこにするかとりあえず保留にして、まずは水深16m地点をX座標の起点として整理します。整理したデータは以下のような感じです。
xz
0.00 16.0 
666.63 14.0 
918.73 12.0 
1180.01 10.0 
1395.74 8.0 
1583.27 6.0 
1642.25 5.0 
1758.73 4.0 
1893.31 2.0 
1960.93 0.1 
2000.00 0.0 

格子間隔の検討

 次に格子間隔を検討します。ここは計算負荷にメッチャ影響するので、なるべくなら格子数を削減したいところです。ただ計算精度が落ちてしまったら意味が無いので格子を大きくしすぎてもダメなので気を付けましょう。
 CADMAS-SURFでは計算格子数を少なくかつ計算精度を確保するためにモデル内で格子幅を変化させます。標準メッシュとして提案されているの格子幅は以下の通りです。
基本格子幅
格子幅の変化方法
 今回の検討波浪は「波高:H=6.00m、周期:T=11.0s」で水深は30mを想定しているので、基本格子幅は⊿X=3.00となります。また原点はZ方向は水深30m地点、X方向は左側減衰帯を負としてそれより右側が正となる位置としました。
 ⊿x/2への変更はh/H=3.5を目安として水深21m地点、⊿x/4への変更はh/H=2.0を目安として水深12m地点とします。高さ方向は⊿Z=0.5mで統一とします。以上を考慮すると計算格子は以下のような設定になります。またCADMAS-SURFの基本的な格子幅の設定範囲も踏襲できているか確認をしておきましょう。

●GRID X
・-400 ~ 0:⊿X=3.00
・ 0 ~ 100:⊿X=3.00
・ 100 ~ 1200:⊿X=1.50
・1200 ~ 2200:⊿X=0.75

●GRID Y
・ 0 ~ 1:⊿Y=1.00

●GRID Z
・ 0 ~ 65:⊿Z=0.50
格子幅の設定範囲

 検討内容の整理までなんとか説明しました~。まずはここまで読んだくれた方……本気でCADMAS-SURFやりたいんですね……。歓迎しますよ(*^^*)港湾、漁港、海岸などに携わる建設コンサルなどであれば活躍の可能性はあると思います!!あまり多くはないCADMAS-SURFの使い手!!個人的な肌感ですが実務でしっかり使える人って300人いるかな~?くらいな気がします(-""-)